
消化器内科
消化器内科
消化器内科は、食道・胃・十二指腸・大腸などの消化管および、肝臓や胆のう、膵臓などを幅広く診療します。
消化器は皮膚などと違い、体外からは見えない疾患が中心となります。症状も多彩なため、問診や症状に応じた診察を行い、必要に応じて血液検査、レントゲン検査、腹部エコー検査、胃・大腸内視鏡、CT検査などを用いて診断します。胃腸炎などの急性疾患や、胃がんや大腸がんなど命に関わる重大な疾患も存在しています。
食道、胃、十二指腸、大腸、肝臓、胆のう、膵臓などの病気に関して専門的な診療を行っております。
日常的に起こりやすい症状でも、詳細な検査を行うことで重大な病気の早期発見につながることがよくあります。お腹の不調や気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。
食道に起こるがんは初期症状が乏しく、進行してから見つかることが多い病気です。進行すると食道が潰れて食事が通りづらくなり、食事のつかえ感、胸や背中の痛み、体重減少などを引き起こします。飲酒や喫煙が原因と言われ、特に40代以降の男性に多く、70代で発症のピークを迎えます。近年は内視鏡検査の普及により、早期発見の機会が増えています。
一般的な胃がんはピロリ菌を原因とした慢性胃炎の粘膜から発生すると考えられています。胃がんの原因はピロリ菌感染が多くを占めますが、喫煙や塩分の過剰摂取も要因と考えられています。2021年時点で日本で3番目に多いがんとなっており、早期の胃がんや特殊なタイプの胃がんを発見するためには、内視鏡で丁寧に観察する必要があります。
日本のがんで最も多く、死因としても2番目に多いがんです。大腸がんは大腸ポリープから数年かけて進行するため検査をしっかり受けることでポリープのうちに治療をして大腸がんへの進行を防ぐことができます。早期には症状を自覚することが難しく、症状が出てから診断に至った場合には内視鏡での治療が出来なくなります。下痢や便秘などの排便異常、血便がみられる方や便潜血反応陽性の際は、一度大腸内視鏡検査をおすすめします。
強い酸性の胃液が胃の内容物とともに食道に逆流し、食道の粘膜を傷つける病気です。胃酸が増えたり、胃酸の逆流を防ぐ機能がうまく働かなかったりすることで起こります。口が酸っぱいと感じるたり、胸やけやのどがヒリヒリする不快感が続きます。生活習慣の改善や薬で胃酸を減らすことで症状の改善が見込まれます。近年日本でも非常に増えている疾患です。
食物を分解する胃酸の作用が、胃や十二指腸の壁の防御をこえて深く傷つけてしまう病気です。胃痛や嘔気などの症状がみられ出血をきたすこともあります。主な原因はピロリ菌感染と薬剤性があり、それに加えて喫煙やストレス、暴飲暴食などがリスクを高めると言われています。
普段から胃が弱い方はピロリ菌感染の確認や鎮痛薬の頻用に注意してください。
一過性に胃の粘膜に炎症を起こす病気で、急性に発症します。
激しい上腹部痛や胃の不快感、吐き気などの症状がみられます。過度の飲酒、ストレス、ピロリ菌の初感染、鎮痛薬などの薬剤性などが原因と考えられています。
胃粘膜に慢性的に炎症が持続する状態を指し、その多くがピロリ菌の持続的な感染です。ピロリ菌感染による慢性胃炎(萎縮性胃炎)は症状が乏しく長い年月をかけて胃の粘膜を広がっていきます。胃・十二指腸潰瘍や胃がんなどのリスクとなるためピロリ菌の除菌が勧められ、近年は除菌が進み若年者での感染が減ってきています。
以前は神経性胃炎などと言われていた病気で採血や内視鏡では異常はないものの、慢性的な症状がでる病気です。食後上腹部膨満感・早期の満腹感・胃痛・むかつきなどが主にみられますが命にかかわるような症状がないことも特徴です。
詳細は分かっていないものの消化管の機能異常と考えられ、強い不安・自律神経失調・ストレス・崩れたライフスタイル(食事・運動・睡眠・喫煙・飲酒)など多くの要因が関与していると言われています。内服のほかに生活習慣の改善などで治療を行います。
腸の血流が一時的に減少することで腸の一部の血の巡りが悪くなり、炎症を起こす病気です。
突然の下腹部痛とその後の粘血便が特徴的な症状でまれに嘔気なども認めます。
原因はわかっていませんが、血圧の低下や動脈硬化などの血管と腸管内圧の高まりなどの腸管の原因が両方絡むと考えられています。そのため女性に多く、便秘や下剤の服用、動脈硬化がリスクとなります。
多くは腸管の安静でよくなることが多く、重症では入院などの治療が必要になります。
大腸の粘膜を中心にびらんや潰瘍を形成します。症状としては下痢や血便、腹痛、しぶり腹、重症化すると発熱、体重減少、貧血などがみられることもあります。明確な原因は分かっていませんが、適切な治療により症状を抑制できれば、健康な人とほとんど変わらない日常生活を送ることが可能です。
お腹の痛みや体の不調に伴って下痢や便秘などが数か月以上続き、検査をしても異常が見られない場合に最も疑われるのが過敏性腸症候群です。明確な原因は不明ですが、ストレスなど心理的異常や消化管運動異常、内臓知覚過敏が関連していると考えられています。腸内細菌、食物アレルギー、感染性腸炎も原因として挙げられています。
ライフスタイルの改善や食事内容の変更、症状に合わせた内服で治療を行います。
嘔吐・下痢・腹痛を主な症状とする感染症で、発熱を伴う場合もあれば、ない場合もあります。さまざまなウイルスや細菌が原因になり、ウイルス性(ロタ・ノロ・アデノウイルスなど)は吐物や便を介して、家庭内や保育園などで感染が広がります。一方、細菌性(カンピロバクター・サルモネラなど)は、汚染された食べ物や水から感染することが多いです。嘔吐は1〜2日でおさまることが多いですが、その間に脱水や低血糖を防ぐためのケアが重要です。下痢は長引くことがあり、1〜2週間続くこともあります。
一般的に胆のうの中に結石が出来る胆のう結石を胆石と呼んでいます。症状としては、みぞおちを中心とした激しい痛みが典型的で、右側や背中の痛みを伴う場合もあります。検診などで見つかることも多く、無症状の場合には経過観察も可能です。胆石が原因となり胆のう炎や胆管炎を起こすことがあります。
肝臓に炎症が起こる病気です。急性と慢性に別れ、急性肝炎では倦怠感、発熱、食欲不振、黄疸などが見られることがあります。慢性では症状はほとんど見られません。原因は多岐にわたりウイルスやアルコール、自己免疫、薬剤、食事などが考えられます。肝炎の状態が長期にわたると肝硬変に進行していき肝不全や肝がんなど命にかかわる病気に進んでいきます。
脂肪肝とは肝細胞に脂質が過剰に蓄積された状態を指します。過食や運動不足、飲酒などが原因としてよく知られていますが、過剰なアルコール摂取が原因のタイプと飲酒によらないタイプがあります。健康診断などで指摘されることも多い病気ですが、脂肪肝だけで症状が現れることはほとんどありません。しかし飲酒によらない脂肪肝の20〜30%に肝硬変へ進行するものがあると言われています。肥満や生活習慣病との関連性が強いことから、生活習慣を改善することおよび生活習慣病への治療が有効です。
膵臓内や膵臓の表面に液体が溜まった袋状のものです。膵嚢胞には、良性のものから悪性化するものまで、さまざまな種類があります。そのため、嚢胞の特徴やリスクに応じた適切な診断と管理が重要です。多くの膵嚢胞は無症状で、人間ドックや他の病気の検査中に偶然発見されることが多くあります。
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