
心療内科(精神科)の症状
心療内科(精神科)の症状
日々の生活の中で、気分が沈んだりやる気が出なかったりすることは誰にでも起こり得ます。忙しさやストレス、環境の変化による一時的な落ち込みは自然な反応ですが、それが2週間以上続いたり、日常生活に支障をきたす場合は、心の不調が関係している可能性があります。
例えば「気分が落ち込む」「考えがまとまらない」「疲れやすい」などの症状は、うつ状態のサインかもしれません。
仕事や家庭のストレスがきっかけで、気分の落ち込みや不眠、食欲低下、集中力の低下が続く場合、うつ病の可能性があります。ストレスがなくても発症することもあり、遺伝や性格傾向が関係していることもあります。うつ病は約15人に1人がかかると言われており、若年層だけでなく中高年にも多く見られる身近な病気です。また、身体の病気が原因でうつ症状が現れることもあり、見逃されると治療が遅れる恐れがあります。
「夜、なかなか眠れない」「何度も目が覚めてしまう」「朝早く目が覚めてしまう」「ぐっすり眠った気がしない」
このような睡眠に関する悩みを抱えている方は少なくありません。現代社会ではストレスや生活リズムの乱れなどにより、睡眠の質が低下しやすく、誰にでも睡眠障害が起こる可能性があります。
眠りに関する問題が続き、日中の活動や生活に支障をきたす状態を指します。主な症状には、寝つきが悪い「入眠困難」、夜中に何度も目覚める「中途覚醒」、朝早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」、そして「熟眠感の欠如」などがあります。これらの状態が続くことで、疲労感や集中力の低下、気分の落ち込み、不安感などが現れ、心の健康にも影響を及ぼすことがあります。
「人前で話すのが苦手」「発表の場になると頭が真っ白になる」「注目されると思うと緊張して声が震える」――こうした不安や緊張を抱えている方は、決して少なくありません。ある程度の緊張は自然なことですが、その不安が強く、避けたい気持ちが先立ってしまう場合は、心の不調のサインかもしれません。
現代社会では、学校や職場などで人前で話す機会が多く、そうした場面に強い不安を感じることで、生活や仕事に支障をきたすことがあります。
人前で話す、注目されるといった状況で強い不安や緊張を感じ、それにより回避行動(発言を避ける、人前に出ないなど)が生じてしまう状態です。
「恥をかくのでは」「変に思われるのでは」という思いが頭から離れず、動悸・発汗・震え・声の震えといった身体症状が出ることもあります。
このような状態が継続すると、自己評価の低下や、仕事・学業への影響、引きこもりなどにつながることもあります。
「なぜか落ち着かない」「そわそわして集中できない」「些細なことでイライラしてしまう」――このような症状は、ストレスや不安、心の疲れからくる心身のサインかもしれません。仕事や人間関係、環境の変化などが引き金となり、自分ではコントロールしづらい感情の揺れとして表れることがあります。
イライラや落ち着かない気持ちの程度は人によってさまざまで、「最近イライラしやすい」と感じる軽いものから、「我慢できずに物や人に当たってしまう」といった重いものまで幅があります。
女性の場合は、ホルモンバランスや月経周期の影響により、月経前症候群(PMS)や更年期障害などで精神的に不安定になることもあります。
日常生活で感じる不安や緊張が過剰となり、心身に支障をきたす状態を指します。理由のない不安、動悸、息苦しさ、発汗、そわそわ感などの症状が現れ、生活や仕事に影響することもあります。
ストレスが続くと、急に息苦しくなったり、胸がドキドキする動悸が起こったり、耳鳴りや喉が締め付けられるような感覚が現れることがあります。これらは「パニック発作」と呼ばれ、強い不安や恐怖を伴う症状です。
また全般性不安障害で動悸や息苦しさなどの身体症状が出ることがあります。これらの身体症状は内科で検査をしても異常が見つからないことが多く、心療内科や精神科での診察が必要です。これらの症状は、抑うつ気分や不眠症を伴うこともあります。
突然強い不安や恐怖に襲われ、動悸、息苦しさ、めまい、発汗などの身体症状が急激に現れる病気です。この発作は予期せず起こり、「このまま死んでしまうのでは」と感じるほどの強い恐怖を伴います。発作を繰り返すことで外出が不安になり、生活に大きな支障をきたすこともあります。
「何度も同じことを聞いてしまう」「確認しないと安心できない」という症状は、強迫的な思考や行動の一つとして現れることがあります。これらは強迫性障害の特徴的な症状の一つであり、本人の意思とは関係なく繰り返し不安や疑念にとらわれてしまう状態です。
例えば、鍵やガスの元栓を何度も確認したり、言ったことや指示を何度も確かめたりすることがあります。このような行動は、不安を和らげようとする本人の対処法ですが、かえって日常生活に支障をきたすことが少なくありません。
頭から離れない不安やこだわりと、それを打ち消そうとして繰り返してしまう行動が特徴の精神疾患です。たとえば、「手が汚れているのでは」と不安になり、何度も手を洗ってしまう、「戸締まりが心配で何度も確認してしまう」などが典型的な症状です。本人はその行為が過剰であると自覚していることが多いものの、不安を抑えるためにやめることができず、生活に支障をきたすことがあります。
物を忘れることは記憶力の低下を示し、日常の出来事や約束を忘れてしまうことがあります。判断力の低下は、適切な判断や問題解決が難しくなり、生活の中での選択や決断に支障をきたします。また、性格や行動の変化は、普段と違った怒りっぽさや不安感、落ち着きのなさなどが現れ、本人や周囲の人に影響を与えることがあります。
脳の機能が低下し、記憶力や判断力、日常生活に必要な能力が徐々に衰えていく病気です。初期には物忘れや同じことを繰り返すことが増え、進行すると時間や場所がわからなくなる見当識障害、会話や行動の困難さが現れます。また、怒りっぽくなる、不安になるなど性格や感情の変化も見られます。認知症は進行性ですが、早期発見と適切な治療により症状の進行を遅らせ、本人や家族の生活の質を保つことが可能です。
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